-Endless story-
メイプルストーリーを元にした二次創作サイト。


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神月黒兎

Author:神月黒兎
こうげつ くろと と読みます。
千葉県の田舎暮らしのコンビニアルバイターです。めいぽでは椛鯖、主に10chあたりでうろうろしてる一匹狼プリースト。チキンなので激しいスキンシップされると逃げます(コラ

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2009.05.29  +ABOUT SITE <<09:00


+当サイトについて
いらっしゃいませ、ご訪問ありがとうございます。
当サイト「-Endless story-」はメイプルストーリーを元にした二次創作サイトです。当サイトで扱っている文章・画像等の著作権は株式会社ネクソンジャパン及び韓国ネクソン社に帰属します。また著作権ガイドラインに基づき無断転載・引用等は禁止させて頂きます。

+リンクについて
当サイトはリンクフリーです。
ペタッと張るのもベリッと剥がすのもご自由にどうぞ。報告の必要はありませんが、連絡頂けると小躍りして喜びます。

≪サイト情報≫
サイト名:-Endless story-
管理人:神月 黒兎
URL:http://endlessstory1.blog54.fc2.com/
_Endless-story-001.jpg Endless-story-002.jpg

バナーが必要な方は↑をお使い下さい。

+サーチサイト
お世話になっております。

  maple-blog.net メイプルストーリー ファンブログ検索  メイプルストーリー検索エンジン メイプルさーち


(連絡先他は↓をご覧下さい。)


←and more
No.2 / +はじめに / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  +更新履歴 <<10:00


2010/02/15
・小説No,024UP

2010/02/27
・遅くなりましたが、リンクに『空の下の騎士達』のAkaviriさんをお出迎えさせて頂きました
・ZにげにげZさんのサイト名を変更させて頂きました

2010/05/01
・小説No,025UP
・黒兎のPCから見るとテンプレートにおかしな場所があったので、テンプレートを変更しました。
・それに伴いプロフ等若干変更しました。


(No,をクリックすると直接記事へ飛びます)

No.3 / +更新履歴 / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  +お知らせ <<10:01


更新再開のお知らせ

お正月に帰ってくるつもりがまさかの超年明け帰りになりました…。
ブログの方でも『1月下旬には再開したいぬーん!』とか言っときながら2月に入ってしまったしで申し訳ない

そして更に申し訳ないのですが、私生活が落ち着いたら~…云々ですが、ぶっちゃけあんまり落ち着いてません。THE・平行線!って感じです。が、まぁこーいったご時世だし致し方ないと開き直る事にしました。とりあえず年末年始のゴタゴタとした慌ただしさもなくなったので小説を打つ余裕が出てきました。しかしながら今度は従業員がバタバタ倒れていったり若干先行きが不安だったりもあるので、やはりしばらくの間は亀更新になるやもしれませんが…。
最低でも週1更新を心掛けてマイペースにやっていこうと思っています。

も一つお知らせ!
ZにげにげZさんがめいぽ小説を連載し始めました!
なんとEndlessと同じく実装化!!みたいな感じです(^ω^)
激烈応援中なのでよろしければコチラよりどうぞ By勝手に応援宣伝部隊隊長:神月黒兎

No.32 / +お知らせ / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  +東日本実装者紹介 <<10:30


東日本(関東)を中心に覚醒した実装者の紹介です。
未登場のキャラはシルエットのみで、物語に登場するとシルエットがなくなります。
主人公・副主人公以外は長くなるのでRead More(↓)にまとめました。 

神城綾女  
名前:神城 綾女(カミシロ アヤメ)
年齢:18歳 性別:女 所在地:千葉県 本職:専門学生
職業:魔法使い/プリースト レベル:77 武器:メイプルウィズダムスタッフ
最後に覚醒した実装者で、メディアにはよく話題として出ている。が、本人は舞同様暴露するつもり
はなく、公の場で戦うざる得ない時は妹に戦わせ自分は観戦などはちゃめちゃなことも。
また異常に実装化の影響が強く出ているため力が強く、何気に苦労しているとかいないとか。
遅ればせながら当サイトの主人公です。

神城舞
名前:神城 舞 (カミシロ マイ)
年齢:16歳 性別:女 所在地:千葉県
本職:高校2年生 帰宅部
職業:魔法使い/ウィザード(炎・毒) レベル:48 武器:サークルフレイムスタッフ
綾女の妹で姉には逆らえないヘタレっぷり。ちなみに当サイトの副主人公。
戦うのは好きだが特攻はニガテ。モンスターの群れに取り残されたら「姉ちゃん助けてー!」となる。
が、キレると厄介な事に毒ガスを撒き散らすため、敵も味方も巻き込んで大騒動になる。
そうなるとだいたい親友のほのかが黒全開の微笑みで脅す止めるまで止まらない。



←and more
No.4 / +登場人物 / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  +西日本実装者紹介 <<11:00


西日本(関西)を中心に覚醒した実装者の紹介です。
未登場のキャラはシルエットのみで、物語に登場するとシルエットがなくなります。
長くなるのでRead More(↓)にまとめました。

←and more
No.5 / +登場人物 / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  +物語の設定 <<11:30


≪あらすじ≫
韓国発端の人気オンラインゲーム「メイプルストーリー」。
日本でも多くのプレイヤーが集うこのゲームで事件が起きた。それはメイプルストーリーが現実世界にリンクする実現化。ゲームの中のモンスターが現実に出現したのだった。
またプレイヤーにも異変が起こる。モンスターの実現化に伴い、少数のプレイヤーにも自身のメインキャラとリンクするという実装化現象。そう、実現化で出現したモンスターは実装者にしか倒せないのだ―――――。



≪用語説明≫
実現化(じつげんか)…メイプルストーリー内のモンスターが現実世界に出現する事。
出現場所は街中や公園など様々だが、実装者(または半実装者)の半径5km以内に沸くモンスターは若干強い事が多く、通常より沸きやすい。
実装者(じっそうしゃ)…メイプルストーリーのプレイヤーで「もみじ」サーバーの主に10chで活動している善良プレイヤーで覚醒した者の総称。二次転職済みのレベル45以上、プレイヤー本人の実年齢が16歳以上が条件の1つとされている。東日本・西日本中心に各職1名づつの計24名が覚醒し、プレイヤーはメインキャラの髪の色・目の色・装備・武器など全てが投影される。
半実装者(はんじっそうしゃ)…実装者のように全てが投影されていないプレイヤー。実装できるのは武器のみのため、半実装者と呼ばれる。人数は実装者よりも多く、東日本・西日本中心に120人程いるのではないかと思われる。
覚醒(かくせい)…実装者・半実装者として気がつくこと、またはその力が宿る事。



で。そんなんなっちゃって世の中どーなのよ?≫
など、他の設定はRead Moreよりご覧下さい。説明はだいぶはっちゃけてます。


←and more
No.6 / +環境設定 / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  No,001 <<11:42


7月中旬。
山手線の電車に揺られながら、私、神城綾女(かみしろあやめ)は只今通学中です。
学校は原宿にあるデザイン系の専門学校で、1学期もそろそろ終わるというこの時期、作品の追い込みに追われている。とりあえずは順調なので、何事も無ければ期限より少し前に提出できるはず。
駅に着き、イヤホンから流れるお気に入りの音楽を聴きながら学校へと向かう。
太陽の照り返しが暑い中、すれ違うサラリーマン達はハンカチで額を拭いながらせかせかと足早に歩いていた。



「(やっぱ都会の夏は暑いな・・・いや、地元も暑いけどサ)」



そう、私の地元は千葉県南寄りの田舎町だ。
上京して学校に通うという手段もあったのだが、如何せんお金が無い。
なので片道2時間掛けて通っている。幸いにも体力には自信があり、今では長い電車通学にも慣れたので何の支障も無い。むしろその2時間は大好きな音楽を心置きなくずっと聴いていられるため、気に入ってさえいる。



「(えーっと、今日は2号館3階の第1教室・・・)」
さて、今日も頑張って追い込み追い込み!
と第一教室の扉を開けてみると、窓側の一角に人が集まっていた。



「あ、綾女おはよう!ちょっとコッチ来て!なんかTVがすごい事になってる!」
「え?TV?」
何事かと輪の中に入ってみると、友人の手の中には携帯電話。
どうやらワンセグで臨時ニュースを見ていたらしい。



「なんかオンラインゲーム会社のネクソンってトコで事故があったらしくて。それが原因不明でとにかくすごいんだって!そろそろ記者会見始まるから見てみ!」
「ネクソン・・・?」



ネクソンと言えば、テイルズウィーバーやメイプルストーリーを作っている会社だ。特にメイプルストーリーは初心者にも優しくプレイし易いという事もあって、IDが120万を突破した人気ゲーム。かく言う私もそのゲームのプレイヤーの一人だったりするが、長年やっているクセにあまりログインしなかったためそんなに強くは無い。何せ最近やっと三次転職したのだ。そう言えばよくバグがあった時期があったけれど・・・某アニメのようにニュースにまでなる事故は無かったはず。それが、どうして?



「お、そろそろ始まっぞ!」
「シーッ!ちょっと静かにしろよ!」



『え、えー・・・今現在分かっている事を代理としてお伝え致します。今回、当社のメイプルストーリーサーバールームにて、原因不明の霧のようなモノが発生致しました。調査のため社員が入りましたところ、えー・・・戻ってきてしまいまして』



『戻る、とは具体的にどういった事でしょうか?』



『あ、はい。その、厳密に言いますと・・・メイプルストーリーというゲームは全11ワールドごとに別れており、またそのワールドにも1~16チャンネルまで別れております。プレイヤー数も大変多いため、格小部屋に分かれているのですが・・・『もみじ』ワールドの10チャンサーバールームで、今日未明、黒い霧状のモノが発生した訳なんですが・・・詳しい調査に乗り込むため社員が部屋に入りましたところ「目の前が真っ暗で何も見えない、数歩歩いたら霧が晴れたと思ったが、外に戻っていただけだった」と。何度繰り返しても部屋の外に戻ってしまうらしいのです・・・』



『そんな事がありえるのですか?』
『え、あ、その・・・そのようらしく・・・』
『つまり、今現在も原因不明で謎だらけ、という事ですね?』
『はい、そうなります・・・』
『他に原因となった心当たりや、この後の処置、またこの「霧」のようなモノで支障はでるのでしょうか?このような記者会見まで開くという事は、何か多大な支障があるから、と受け取ってもよろしいでしょうか?』



若い記者の鋭い指摘に、猫背気味に対応していた社員が一瞬怯んだ。
左右に目を泳がせながら手元の資料をぱらぱらと捲っては、あー、だの、うー、だのと言っている。何かあるようだが、どうやって切り出せばよいのか分からないといった様子だ。



『そ、その・・・心当たりという心当たりは今のところ全く無く・・・今度の処理につきましても、まだ検討中でありまして・・・ただ、えー・・・一つだけ、大きな問題が・・・ございまして』
後半はかなりしどろもどろになっている。
そして社員は、意を決したように言い放った。







『ゲームのモンスターが、現実世界に、出現する・・・んです』







小さな携帯のワンセグから聞こえたありえない言葉。
今日この瞬間から、日常は非日常へ変わった。






No.9 / +小説001~010 / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  No,002 <<11:50


先日のビックリ記者会見から早3日。
本当にモンスターが現われた。といっても、初心者プレイヤーにお馴染みの赤デンデンや青デンデンだ。あの後学校の先生達も緊急会議などで授業はそっちのけ。なにせ前代未聞の事なので、今後の対応について揉めたのだろう。なんせ担任が教室の扉を蹴り空けて入ってきたとき、開口一番にこうのたまったほどだ。




『み、みんな!ドラゴンが出たら危険なので注意して帰るように!!』



・・・ドラゴン。
ドラゴンて先生・・・。
いや、いい。それはいい。重大なのは担任のその一言で学校は休校、課題に手が付けられなかった事だ。



「(あーもう、しかも臨時で来週までお休みとか・・・!課題、課題が終わらないってばー!!)」
田舎特有の蒸し暑さの中、2階の窓を全開に開けてみるが風は入ってこない。
パソコンで課題のコンセプトなどをまとめていたが綾女だが、機械の熱で部屋は蒸し風呂状態だった。

「(クーラーは壊れてるし・・・最悪・・・最悪だ。気力と根性だけじゃこの暑さは耐え切れない・・・)」
開け放った窓に頬杖をついてぼんやりと遠くを眺めてみると、蜃気楼で景色が揺れていた。

「(うあー、ますます暑くなる・・・)」
そうして視線を近くの空き地に移してみると、元気に遊ぶ子供たちの姿が目に入った。



そういえば。
この3日間の調査とやらで分かった事がいくつかある。
始めのうちは低レベルのモンスターしか出現しない事。それこそデンデンやスライムなんかだ。でも日が立つにつれて、少しづつ少しづつ出現するモンスターのレベルは上がるらしい。
ちなみに出現したモンスターは金属バットやフライパンで対抗可。つまりは武器になるようなモノで応戦すれば、ゲーム同様一定のダメージを与えれば消えるらしい。その際ドロップアイテムもきちんと手に入るらしく、早くも子供たちの間では遊びとして取り入れられている。



「(だからかぁ、あんなに元気に棒振り回しちゃって・・・メルがお金に変換されて出てくるんだもん、子供たちにとってはお小遣い稼ぎにもなるし、確かにいい遊びだね・・・にしても炎天下の下よく走り回れるねぇ・・・)」
と、ちょっと婆臭い事を考える。



ああ、あと。今はレベルの低いデンデンやスライムやらが出現しているが、そのうちもう少し強いモンスターも出現しだすらしい。一般人の体力などを考え導きだされた結論が『30レベル程度までなら、応戦可能』だった。じゃあ、それ以上は?というと、これもまた驚く事実が明らかになった。
メイプルストーリーのプレイヤーのうち、問題の起きたもみじサーバーの主に10チャンで活動している善良なプレイヤー数名に、実現化現象ならぬ『実装化現象』が起こるというのだ。つまり、モンスターの出現『実現化』に伴い、プレイヤーにも自分のアバターが投影される事になるらしい。

しかし、これにはいくつかの条件があるそうだ。
さっき言った通り、もみじサーバーの主に10チャンで活動中の善良プレイヤーはもちろん最大の条件。次に必要な条件は、育てているキャラクターが30レベル以上で二次転職済みである事。そして次に、プレイヤー自身の年齢が16歳以上である事。この3つの条件に当てはまったプレイヤーの数人に、実装化現象が起こるらしい。
ちなみにこの条件で実装化に目覚めた人の事を半実装者(はんじっそうしゃ)と言い、力に目覚める事を覚醒だとか言うらしいが・・・。



「(なーんか、実感ないなぁ・・・)」
非科学的すぎて、綾女は未だにこれは夢なんじゃないだろうか?と思うのだ。
つまりはその半実装者が今後強くなっていくモンスターを倒す事になるのだろうけれど・・・。
「(だって、周りに半実装者いないし・・・相変わらずデンデンだらけだし・・・それに、デンデンってばちょっと大きなカタツムリ?くらいの大きさなんだもん。あ、でも赤デンデンと青デンデンはサッカーボールくらいあるかな・・・でもやっぱカタツムリだしなぁー・・・)」

ちなみに何故「半」実装者というのか。
これは武器だけ実装されるからである。今後しばらくは半実装者の覚醒があちらこちらであるのではないか、とニュースで討論されていた。武器・装備・目の色・髪の色など全てが実装化される実装者については、8月に入る頃から覚醒し始めるだろう・・・とも言っていた気がする。この実装者は関東・関西合わせて格職業24人が選抜されるらしいが、キャラクターのレベルが45レベル以上という条件もプラスされるそうだ。



「(24人・・・ってかなり少ない人数だよね・・・というか、ここまでは解明されてるのになーんで未だに原因不明なんだろ?いつまで続くんだろうなーコレ)」
ネクソン側も毎日のようにTVに取り上げられているが、肝心な話しになるとどうも濁しぎみだ。
それよりも最近はTVを付ければ時六時中この話題ばかりでそろそろ飽きてくる。どうやら国民は重く受け止めていないようで、どちらかというとこの現象を楽しんでいるようだった。

「(そーいやどっかの会社じゃモンスターが屋上に沸きすぎて、男性社員全員でぼっこぼこにしたんだっけ?)」
ストレス発散になって仕事が進みます!とかTVで言ってた気がする。

「(なんだかんだで、平和だなぁー・・・)」
すでに課題は投げ気味の綾女。
暢気にそんな事を考えつつ、非日常の中いつも通りの生活を送る。



バタバタとしていた週が明け、学校が始まった。
夏休みに向けて他の生徒も課題制作にラストスパートを掛けていく。いつも通りの生活の中で、やはり『半実装者が現われた』や『半実装者、モンスターを撃沈!』などの話題も増えていったが、夏休み目前の若者にとっては旅行や休日の遊びについての話のほうが重要なようだ。綾女自身も夏休みは何をしよう、祭りの日には会おうなど、友人たちと他愛もない話で盛り上がっていた。





そして夏休み。
8月を目前に、それでも平和な非日常は終わりを告げようとしていた。






No.10 / +小説001~010 / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.29  No,003 <<12:05


ちゅん ちゅんちゅん



カーテンの隙間から朝日が覗く。
夢の世界からだんだんと浮き上がっていく意識の中、綾女はベットの中でコロリと寝返りを打った。
「(んんー・・・もう少し寝るぅー・・・)」
なんだかいい夢を見てたような気がする・・・。
もう1回寝れば同じ夢が見られるだろうかと、また意識が沈みかけたその時。



・・・ドドドドドドドドドドッ!

バタンッ!



「お、お姉ちゃぁーんッ!!」



個性的な髪型の妹・舞が、綾女の部屋の扉を叩き空けた。
突然叩き起こされた綾女は不機嫌そうに声の主、舞の方を向いた。
しかし、一瞬固まる。目に飛び込んできたのは個性的な髪型に明るい紅い髪の毛。そして髪と同じ紅い瞳に、赤と黒のボーダーの洋服にジーンズ、背中からは小さな赤い悪魔のような羽。そして、肩で息をしている舞の両腕には。

「・・・あれ?いつからハスキーとドラゴンなんて飼い始めたんだっけ・・・?」
「飼ってない!飼ってないから!ていうかまだ寝ぼけてるでしょお姉ちゃん!起きてー!!!」


神城舞







とりあえず興奮気味の妹を落ち着かせるため、綾女は部屋に舞を招き入れた。
ふさふさのカーペットの上にちんまりと正座をさせると、舞の両脇に佇む犬とドラゴンをじっと見つめる。

「・・・で?なんでこーなった?」
「う。ハイ、目が覚めたらすでにこーなってました」
「つまりついさっき目が覚めたと思ったらこーやって両脇にコイツらがいた、んで、髪の色と服装も変わってた。と?」
「そのとーりです・・・さっすが姉ちゃん!」
少ししか話してないのにあっという間に分かっちゃうんだもん、すごいね!
と、舞は嬉しそうに拍手し始めた。



・・・頭が痛い。
我が妹ながらなんでこんなにも能天気なのか・・・!
いや、そんなのはどうでもいい。この現象は半実装ではなく完璧な実装化現象・・・つまり、関東・関西から各職24人選抜されるというアレに、いつの間にか舞は選ばれてしまったという事だ。

「・・・で、事を深刻に受け止めていない舞さん。これからどーするつもり?」
「え?どうって・・・とりあえずモンスター倒す!」
「で?」
「このペット達を愛でる!」
「で?」
「アイテムとか拾えるから拾って、お金も拾って貯金して・・・なんか毎日楽しそう!よっしゃー、夏休み万歳!!」



ああ、コイツ完全に駄目だ。
一人うはうはと楽しそうに語りだす舞を尻目に、綾女は重いため息をついた。
実装者に選ばれた・・・という事は、あれだけTVで騒がれているのだから見つかればメディアに追いかけられるのは必須。半実装者でさえ毎日のようにTVに取り上げられているこの現状、この調子だと舞はいい餌食になってしまう。

いや、それよりも・・・。
実装者・半実装者の半径5km以内にモンスターは出現しやすいと聞いた。
本人がTVに出ても構わないというのならまだしも、もし実装者である事を隠し通したいのならかなり難しいんじゃないだろうか?



「舞、あんた今のその姿でそいつ等と一緒に外に出るって事は『私実装者でーす!』って世間に言うようなものだよ?分かってると思うけど、半実装者でさえあの騒ぎなんだから。夏休みだからまだいいものの、学校が始まったらその髪の色とそいつ等どうするつもり?」
「あ」
「・・・考えて無かったんでしょう」
「・・・う。スミマセン・・・」
「とりあえず!今日は8月1日、実装者が覚醒し始めるってTVでさんざん言ってたくらいだから、もうニュースで流れてるかもしれないっしょ?まずはニュースニュース!」
「・・・いや、お姉ちゃん・・・地震速報じゃないんだからすぐにはやってないと・・・」

おずおずとした舞の発言を完全に無視し、綾女はTVのある1階リビングへと降りていってしまった。
舞は「やってないと思うんだけどなー・・・」とぶつぶつ言いながらも、綾女の後を追ってリビングへとやってきた。すでに付けられていたTV画面にはいつもの明るいアナウンサーのお姉さんが映し出されている。



『皆さん、おはようございます!今日はついに8月1日、実装者が覚醒し始める日になりました!只今の時刻は8時45分ですが、早速!実装者として覚醒された方が自己申告して下さいました!』
「「早ッ!!」」
「ほら見ろ、やってるじゃないか!」
「そんな事より続き続き!!」
ぎゃーぎゃーと騒ぎながらも視線をTVに移してみると、ちょうど実装者のご登場、というところだった。



『でわ、こちらの方です!』

ズドンッ

『どもー!大阪出身の艮ガグ(うしとらがく)っちゅーもんです!キャラは戦士でスピアマン、50レベルや!ヨロシク!!』



めちゃくちゃハイテンションな男が何故か上から降ってきた。
着地した場所にはくっきりと靴跡が残っているあたり、基礎体力などが実装化現象で上がっているのだろうな・・・というのが伺える。にしてもこの男、服装は至って普通だがハデだ。緑色の髪に同色のサングラス、褐色で健康的な肌はいいものの手に持っているのは巨大なハリセン。恐らくはそれが武器なんだろうが・・・。


艮ガク

 

「姉ちゃん、この人目立つねー・・・」
「そ、だネ・・・でもこれで分かったでしょ・・・実装者は相当注目されるよ・・・」

確か最初の半実装者は高校生だったらしいけど、学校の中までカメラマンが入ってきて大変だったんだっけなぁー、と綾女は呟いた。しばらく二人の間に沈黙が出来たが、舞はちらりと綾女の顔を見て口を開いた。

「・・・ねえ、お姉ちゃん。私こんなになりたくないから、実装者になった事隠し通してみようと思う」
「そっか。まあそれが妥当な判断だと思うよ?ま、頑張ってみなさいな!」
「・・・うん!」

舞は力強く頷いた。
それを笑顔で受け止めると、綾女はそのまま首を傾げて。

「で?その髪の色とペット達をどうするつもりなのかな舞君や?」
「・・・あ!!」





どうやら、早々に前途多難な予感だ。





No.11 / +小説001~010 / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2009.05.31  No,004 <<17:58


「おい、舞!早くしろよこのノロマー!」
「マスターに対して口が過ぎるぞ。少しは慎め」
「・・・」
小さな黒いドラゴンと大型なハスキー犬が、神社の前で口喧嘩をしていた。





さて。
数日前に実装者として覚醒した綾女の妹・舞。
『実装者になった事隠し通してみようと思う』とは言ったものの、解決策は見つからずにいた。あーだこーだとうんうん唸っていると、今まで両脇で静かに佇んでいたペット達が口を開いた。

「実装化は己の意思で解除できます、マスター」
「・・・」
「・・・」
「マスター?」
「しゃ」
「「しゃべったー!?」」

なんと、ペットはゲーム同様喋るらしい。
口調と性格は違うものの随分と頭が良いらしく、実装化についていろいろと聞かせてくれた。
1つは、実装化は本人の意思によって装備・解除が出来る事。2つめはペット所有者はペットも実装化されるという事。3つめは、ゲーム内のアイテム(HP・MP回復薬等)も使用可能という事と、ゲーム同様HPが尽きたら戦闘不能になるという事。つまりは体力的にしんどくなったら薬で回復しなければ倒れる、という事らしい。



「マスター、お分かり頂けましたか?」
「う、うん。とりあえず・・・というか、名前なんだけど・・・」
ちらりと大型な体格のハスキーを見上げれば、ああ、といったように口を開いた。
「ゲーム内で付けて頂いた名前の通り、フェンリルでございます」
「おお・・・!じゃあこっちのブラックドラゴンはディアスでいいんだね!きゃーヨロシクー!!」
ハスキー犬飼ってみたかったんんだー!と、舞は嬉しそうにフェンリルに抱きついた。





そして、今現在。





「・・・お前ら、少し静かにできないの?」
「へんっ、舞がノロマだから悪いんじゃねーか!見ろ、あっちこっちダダックだらけだゼ!」
「それはマスターのせいではない。ここが異常に沸きやすいだけだ」

ちなみに口の悪い方がディアスだが、先ほど言ったとおりここは神社。
滅多に人の訪れないこの場所で、出現したモンスターを集めて倒している最中なのだ。特に今日はアヒルのような姿形をしたダダックが異常発生しているようで、そこらかしこにぐわぐわと犇いていた。

「ほら、舞。あと30分で片付けないと先に帰っちゃうよ?」
綾女は一人高台の安全地帯で優雅にノートパソコンに向かいながら、必死に戦う妹を尻目に課題に取り組んでいた。あの後課題の提出は2学期へ持ち越しになり、一人で戦いに行くのはイヤだ!という舞の願いもきくためにこうなった。

「え、それはヤダ!ちょっと待っててお姉ちゃん!」
と、舞は急いで武器のサークルフレイムスタッフを振り上げる。
そして火で出来た矢のようなものを辺り一面に連射し始めた。



「(ファイアアロー・・・魔法使いのウィザードで一番攻撃力がある職を選んだっていうのに、未だにレベルは48のままかぁー・・・まぁ半実装者で経験値約2倍、実装者は約4倍の経験値が加算されるっていうから、そのうち強くなるかな?というか・・・)」



「なーんで22レベルのダダック相手に48レベルのウィザードが手こずってんのー!!」
「う、五月蝿―い!だって数が多いんだもん、当たらないんだもん!!」
舞はひぃひぃと境内の中を駆け回っていた。
ファイアアローは名前のとおり、矢だ。攻撃力がいくら強くても実際に弓道など一度もやったことのない舞には少し難しいようで。

「お姉ちゃんも少しは手伝ってよ!『今日はオムライスがいい、ダダック倒してきて』って言ったのはお姉ちゃんでしょー!」
「確かにオムライスは食べたいって言ったけど、私、実装者じゃないから無理ー!頑張ってねー!」
「・・・こんの卑怯者―!!」
綾女はけらけらと笑って、今までやっていたノートパソコンをパタリと閉じた。
「でもまぁ、ドロップアイテムの卵拾いは手伝ってあげよう!フェンリルー、ディアスー、手伝って!」
「はい、姉君」
「じゃあな舞!せいぜい頑張れ!」
「あ、ちょ、お前らー!!」

舞の怒声が神社に響く。
主人の舞よりも何故か綾女に従順なこのペット達を、綾女は何気に気に入っている。





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